血行不良は万病の元

人間の身体には、成人で約3000ccもの血液が流れています。血液は摂取した栄養分や酸素を末端の細胞まで運び、また、老廃物や二酸化炭素を腎臓・肝臓等の処理器官に運ぶ役割も担っています。血行が悪くなると栄養分が細部まで行き渡らず、老廃物が蓄積されるという悪循環が起こります。肩コリなどの症状以外にも、むくみ、吐き気、排尿リズムの狂い、自律神経の乱れなど、疾患といえるものにまで発展することもあり、血行は健康に最も重要な影響を与えているといえるのです。

■血行不良による日常的なトラブル

 毎日の生活スタイルをチェック。冷えを防いで元気に過ごしましょう。ここでは、簡単にできるセルフ・ケアについて紹介します。

●肩コリ・腰痛・関節痛

血行不良は、疲労物質(乳酸)の停滞をもたらします。筋肉にかかる負担によって、発生する疲労物質が、その部位に残ってしまい、炎症を起こしたり、筋肉を緊張状態にし、痛みの発生となります。頭の重さを支える首や肩、身体の軸である腰、常に動かし続けている関節などには、その疲労物質が残りがちなのです。

●冷え症

 血液は体温調節の役割を担っており、血行不良は、特に身体の末端の冷えにつながります。手足は心臓から遠く、血管も細いため、動脈も、静脈も血流が滞りがちです。冷え症は、静脈のうっ血といった、見た目にうれしくない症状の他、全身の冷えによる風邪、頭痛、めまい、下腹部痛などの神経症状なども起こしやすくなるのです。

●肌荒れ

 血行不良は、肌の状態にも深刻な影響を及ぼします。血流が滞れば、栄養が届かず、老廃物もたまり、肌の色ツヤが悪くなります。最近は冷暖房による乾燥肌の方が増えており、肌への負担が増しています。体表の臓器でもある肌の状態が血行不良によって悪化すると、免疫力の低下によってアレルギー症状を起こすことさえあります。

●月経痛

 月経の直前には、子宮自体が大きくなり、この時、子宮の周りの神経や骨盤内の血管が圧迫され、痛みや血行不良が起こりやすくなります。これが腹痛や腰痛となって月経痛の不快な症状として現れるのです。

 

あなたは大丈夫? 冷え症セルフ・チェック!

□ いつも手足が冷たい。
□ しもやけができやすい。
□ 手足がしびれることがある。
□ 腰痛、肩・首のコリや頭痛を感じることが多い。
□ 月経痛や月経不順などの不調を感じている。
□ 顔色が悪く、肌がカサカサ。
□ トイレの回数が多く、便秘や下痢をくり返す。
□ 風邪をひきやすい。

これらの原因は「血行不良」からくるものです。3つ以上あてはまれば冷え症の可能性は大。